初めての産後、里帰りしない選択:不安を減らす過ごし方とサポート探しのヒント
初めての赤ちゃんを迎えるにあたり、産後の過ごし方について考える時間はとても大切です。多くのご夫婦が里帰り出産を選択される一方、様々な理由で里帰りしない、またはできないという選択をされるご夫婦もいらっしゃいます。
「里帰りしない産後」と聞くと、漠然とした不安を感じるかもしれません。誰にも頼らず夫婦だけで乗り切れるのだろうか、体調が戻らなかったらどうしよう、といった心配が頭をよぎることもあるでしょう。
この記事では、初めての産後を里帰りせず自宅で過ごすことを選択されたご夫婦が、少しでも安心して穏やかに過ごせるよう、準備のヒントや利用できるサポートについてお伝えします。漠然とした不安を具体的な理解に変え、前向きな一歩を踏み出すためのお役に立てれば幸いです。
なぜ里帰りしない選択をするのでしょう
里帰りしないことを選ぶ理由は、ご夫婦によって様々です。
- 夫と協力して一緒に育児をスタートさせたい
- 実家や義実家との距離が遠い
- 実家の住環境や状況が産後の養生に適さない
- 親が高齢だったり、仕事をしているため頼ることが難しい
- 上の子がいるため、環境を変えたくない
- 自分たちのペースで育児をしたい
どんな理由であっても、里帰りしないと決めたのであれば、夫婦で協力し、必要な準備を進めることが大切です。
里帰りしない場合の産後の不安要素と対策
里帰りしない産後で多くの方が感じる不安には、主に以下のようなものがあります。それぞれの対策を考えてみましょう。
1. 体調回復への不安
出産は想像以上に体力を消耗します。産後は回復に専念し、無理をしないことが何よりも重要です。
- 対策:
- 産褥期(さんじょくき)はしっかり休息を取ることを最優先に計画しましょう。赤ちゃんが寝ているときは一緒に休むように心がけてください。
- 栄養バランスの取れた食事を意識しましょう。作り置きや宅配食サービスなどを活用すると、産後の負担を減らせます。
- 身の回りのことや最低限の家事以外は、ご家族や外部サービスに頼ることをためらわないでください。
2. 家事や育児への不安
赤ちゃんのお世話に加えて、普段通りの家事をこなすのは大変です。初めての育児自体にも戸惑うことがあるかもしれません。
- 対策:
- 夫婦で家事や育児の役割分担について具体的に話し合いましょう。どちらか一方に負担が偏らないように、得意なことやできることを分担リストにするのも有効です。
- 家事代行サービスや産後ケアヘルパーの利用を検討しましょう。プロのサポートは、精神的な安心にもつながります。
- 育児の分からないことや不安なことは、助産師さんや行政の窓口、両親学級などで積極的に質問したり、相談したりしてください。
3. 孤立への不安
産後は外出の機会が減り、社会から孤立しているように感じることがあります。
- 対策:
- 地域の両親学級や子育てサロンなどに参加して、同じ時期に出産した方と交流してみましょう。
- オンラインの子育てコミュニティなども活用できます。
- 友人や家族と電話やビデオ通話でこまめに連絡を取り、気持ちを共有することも大切です。
- 天気の良い日は、無理のない範囲で近所を散歩するだけでも気分転換になります。
安心して産後を過ごすための具体的な準備
出産前に、夫婦で一緒に以下の点を準備しておくと、産後の負担や不安を大きく減らすことができます。
- 家事・育児分担の具体化: 洗濯、食事作り、掃除、ゴミ出し、おむつ交換、ミルク作り、沐浴など、具体的なタスクをリストアップし、誰がいつ担当するかを話し合って決めましょう。
- 外部サービスの検討と手配:
- 家事代行: 退院直後だけでも利用すると、家事の負担が軽減されます。
- 産後ケアヘルパー/ホームヘルパー: 自治体や民間のサービスで、育児のサポートや簡単な家事を依頼できます。自治体のサービスは利用条件や料金が異なりますので、早めに情報収集しましょう。
- 食材宅配・ミールキット: 買い物や献立を考える手間が省け、栄養バランスの取れた食事を手軽に用意できます。
- 両親や友人への協力依頼: もし頼れる人がいるなら、どのくらいの頻度で、どんなサポート(食事の差し入れ、上の子の送迎、話し相手など)をお願いできるか具体的に相談しておきましょう。
- 自治体サービスの確認: お住まいの自治体には、産後ケア事業(宿泊型、デイサービス型、訪問型)やホームヘルプサービス、育児相談窓口など、様々なサポートがあります。利用できるサービスや手続きについて、妊娠中に自治体のウェブサイトを確認したり、窓口に問い合わせたりしておきましょう。
- 緊急連絡先リストの作成: かかりつけの産婦人科、小児科、地域の救急病院、育児相談窓口、両親や親戚など、緊急時に連絡が必要になる可能性のある連絡先リストをすぐにわかる場所にまとめておきましょう。
- 食事の準備: 妊娠中に日持ちする料理を冷凍したり、簡単に作れるレシピを準備しておくと、産後の食事の負担が減ります。
- 育児情報の入手: 赤ちゃんの成長や発達、お世話の仕方について、信頼できる本やウェブサイトで基本的な情報を得ておくと、いざという時に落ち着いて対応できます。両親学級への参加も有効です。
困ったときの相談先
産後に不安や悩みを抱え込んだままにせず、積極的に相談することが大切です。
- 行政の窓口: 市区町村の保健センターや子育て支援課などが相談に応じてくれます。自治体によっては、保健師さんや助産師さんが家庭訪問してくれる産後訪問の制度もあります。
- かかりつけの医療機関: 出産した病院やクリニックに相談窓口がある場合があります。赤ちゃんの体調やご自身の体調に関する不安は、まず医療機関に相談しましょう。
- 地域の相談窓口: 地域の子育て支援センターやNPO法人などが、育児相談や母親の心のケアに関する相談を受け付けていることがあります。
- 家族や友人: 身近な人に話を聞いてもらうだけでも、気持ちが楽になることがあります。
まとめ
初めての産後を里帰りせず自宅で迎える場合、事前の準備と夫婦間の協力がとても大切になります。漠然とした不安を感じるかもしれませんが、利用できる様々な外部サービスや自治体のサポート、そしてご夫婦の話し合いによって、安心して産後を過ごすことは十分に可能です。
「完璧」を目指す必要はありません。頼れるものは頼り、無理をせず、ご夫婦で協力しながら、新しい家族との日々を穏やかに過ごしてください。この時期が、お二人の育児の基盤を作る貴重な時間となることを願っています。