退院してからの赤ちゃんのお世話、何から始める?初めてのパパママのための基礎知識
初めての出産を終え、無事退院の日を迎えると、いよいよ赤ちゃんと自宅での新しい生活が始まります。期待とともに、「本当に自分たちだけで大丈夫かな」「何から始めればいいのだろう」といった漠然とした不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。この時期は、心身ともに慣れないことばかりですが、一つずつ整理して基礎知識を身につけることで、少しずつ安心して新しい生活に馴染んでいくことができるはずです。
この記事では、退院後の赤ちゃんとの生活で知っておきたいお世話の基礎や、新しい生活への心構えについてお伝えします。完璧を目指すのではなく、まずは基本を知り、肩の力を抜いて赤ちゃんとの日々を楽しめるようなヒントになれば幸いです。
退院直後の生活について知っておきたいこと
退院後、すぐに規則正しい生活を送ることは難しいかもしれません。新生児はまだ昼夜の区別がなく、眠たいときに眠り、お腹が空いたら泣いて起きます。授乳やおむつ交換の頻度も高く、パパやママは細切れの睡眠になりがちです。
このような不規則な生活リズムは、生後しばらくの間は自然なことです。まずは「今は赤ちゃんのリズムに合わせて生活する時期」と受け入れ、夫婦で協力しながら乗り越えていく心構えが大切です。できるだけ一緒に休息をとる、家事は無理しない、といった工夫をしていきましょう。
赤ちゃんのお世話の基本
退院後の生活で中心となる赤ちゃんのお世話について、基本的なポイントをご紹介します。
授乳
赤ちゃんがお腹を空かせたら授乳します。母乳、ミルク、あるいは混合など、それぞれの方法がありますが、大切なのは赤ちゃんが欲しがるサインを見逃さず、優しく応えてあげることです。
- 授乳のサイン: 口をモグモグさせる、指しゃぶりをする、顔を動かして何かを探すような仕草をするなど。泣き出す前兆として現れることが多いです。
- 頻度: 新生児期は、お腹が空いたら欲しがるだけ与える「欲しがるときに欲しがるだけ」の授乳が基本です。1日に8回〜12回程度と頻回になることが多いですが、個人差があります。
- 確認ポイント: 授乳後はお腹がいっぱいになり満足しているか、おしっこやうんちがしっかり出ているか(飲めているかの目安になります)、体重が順調に増えているかなどを確認します。
おむつ交換
おむつは、うんちをしたらすぐに、おしっこでも定期的(3時間おきなど)に交換してあげましょう。濡れた状態が続くと、肌トラブルの原因になることがあります。
- 準備するもの: 新しいおむつ、おしりふき、必要であればワセリンなどの保湿剤や軟膏。
- 交換のポイント: 赤ちゃんの下に新しいおむつを広げて敷いておくとスムーズです。使用済みのおむつはコンパクトにまとめて捨てましょう。おしりの汚れは優しく拭き取り、肌を乾燥させてから新しいおむつをつけます。
睡眠
新生児は1日の大半を眠って過ごしますが、睡眠時間は合計で16時間〜20時間程度と長めでも、一度に長く眠ることは少ないです。安全な睡眠環境を整えることが非常に重要です。
- 安全な寝かせ方: 硬めの敷布団に仰向けで寝かせます。顔の周りには何も置かず、衣類や寝具が顔を覆わないように注意します。窒息やSIDS(乳幼児突然死症候群)予防のために、この寝かせ方が推奨されています。
- 寝る場所: 赤ちゃんの様子がすぐにわかるよう、パパやママが眠る場所の近くに寝かせると安心です。
沐浴の準備と手順
沐浴は、赤ちゃんを清潔に保ち、新陳代謝を促す大切なお世話です。退院後すぐはベビーバスを使って行うのが一般的です。
準備するもの
- ベビーバス
- 湯温計(38℃〜40℃を目安に)
- ベビーソープ
- 着替え一式(肌着、ベビーウェア、必要ならおむつ)
- バスタオル(2枚あると便利)
- 綿棒、爪切り、保湿剤など(沐浴後に必要なお手入れ用品)
沐浴の一般的な手順
- 必要なものを全て手元に準備しておきます。
- ベビーバスに規定量のお湯を張り、湯温を確認します。
- 赤ちゃんを沐浴する部屋を暖かくしておきます。
- 赤ちゃんの服を脱がせ、おむつを外します。
- 赤ちゃんを優しく抱っこして、ゆっくりとベビーバスに入れます。
- 片手で赤ちゃんの首をしっかりと支えながら、もう一方の手で優しく洗います。顔、頭、体を順番に洗いましょう。顔を洗うときは、目に泡が入らないように注意します。
- 全身を洗い終えたら、きれいなお湯で泡をしっかりと洗い流します。
- 赤ちゃんをベビーバスから上げ、すぐに用意しておいたバスタオルで全身を優しく拭きます。特に、首のしわやわきの下など、くびれの部分もしっかりと水分を拭き取ります。
- 着替えさせ、必要に応じて爪切りや保湿などのお手入れをします。
最初はおっかなびっくりかもしれませんが、回数を重ねるうちに慣れてきます。パパとママで協力して行うのも良い方法です。
パートナーとの協力と休息の大切さ
退院後の生活は、パパとママの二人三脚で乗り越えていくことが不可欠です。どちらか一方に負担が偏らないよう、積極的に家事や育児を分担しましょう。
- 役割分担の例: 授乳担当、おむつ交換担当、沐浴担当、寝かしつけ担当など、できることから分担します。ミルクの場合はパパも授乳できます。
- 声かけ: 感謝の気持ちやねぎらいの言葉を伝え合い、お互いの努力を認め合うことが、精神的な支えになります。「ありがとう」「お疲れ様」の言葉は、想像以上に大きな力になります。
- 休息: 短時間でも良いので、意識的に休息をとるようにしましょう。赤ちゃんが寝ている間に一緒に休む、どちらかが赤ちゃんを見ている間に一息つくなど、夫婦で協力して休息時間を確保することが、心身の健康を保つために非常に重要です。
不安なことや困っていることがあれば、一人で抱え込まずにパートナーに相談しましょう。また、両親や地域のサポートセンター、専門家など、頼れる存在には遠慮なく頼ることも大切です。自治体によっては、新生児訪問などのサービスが利用できますので、事前に確認しておくと安心です。
最後に
退院後の赤ちゃんとの生活は、戸惑うことや大変なことも多いかもしれません。しかし、この時期に学ぶ一つ一つのお世話が、今後の育児の基礎となっていきます。完璧にこなそうと気負う必要はありません。赤ちゃんもパパやママも、新しい生活に少しずつ慣れていく時期です。
うまくいかないことがあっても、自分を責めないでください。困ったときは一人で悩まず、パートナーや頼れる人に相談しましょう。「はじめてパパママ応援」は、頑張るパパやママを応援しています。この記事が、新しい生活への一歩を踏み出すための一助となれば幸いです。