初めての妊娠中、仕事はどうする?働くパパママのための基礎知識と準備
初めての妊娠、おめでとうございます。新しい命を迎える喜びとともに、働くパパ・ママにとっては「このまま仕事を続けられるかな」「会社にいつ、どう伝えればいいんだろう」といった不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
この時期に抱える仕事に関する漠然とした不安を少しでも和らげ、具体的なステップを踏み出すための基礎知識を整理してみましょう。安心して妊娠期間を過ごし、出産、育児へと繋げていくために、ここでご紹介する情報がお役に立てば幸いです。
妊娠中の働く環境について知る
妊娠がわかったら、まずご自身の働き方について確認しておくことが大切です。法律では、働く妊産婦さんが安心して働き続けられるように、いくつかの権利が保障されています。
妊娠中の働き方に関する基本的な権利
- 妊婦健診のための時間確保: 妊娠中の定期的な健診に必要な時間を確保できます。会社に申し出ることで、勤務時間中に受診するための時間をもらえます。
- 通勤緩和: 混雑時の通勤を避けるための時差通勤や、休憩時間の延長などを求めることができます。
- 軽易業務への転換: 体調が悪化したり、お腹が大きくなるにつれて負担を感じる業務がある場合、比較的負担の少ない業務への転換を求めることができます。
- 休憩時間の延長・増加: 必要に応じて、休憩時間を増やしたり、回数を増やすことを求めることができます。
これらの権利を利用するには、医師からの指導内容を会社に伝える必要があります。その際に活用できるのが「母性健康管理指導事項連絡カード(母健連絡カード)」です。
母性健康管理指導事項連絡カード(母健連絡カード)とは
これは、医師や助産師が、妊娠中の症状や必要な措置について記入し、それを会社に提出することで、会社が適切な対応を取るための連絡カードです。例えば、「通勤緩和が必要」「休憩時間を●分延長」といった具体的な指導内容を会社に正確に伝えることができます。母子健康手帳に挟み込まれていることが多いので、確認してみてください。
会社への妊娠報告
いつ、誰に、どのように妊娠を伝えるべきか迷う方もいらっしゃるでしょう。一般的には、安定期に入った頃(妊娠12週以降)に直属の上司に伝えることが多いようです。ただし、つわりがひどい場合や、業務内容によって早期に配慮が必要な場合は、安定期を待たずに相談することも検討しましょう。
伝える際には、以下の点を含めるとスムーズです。
- 妊娠していること
- 出産予定日
- 今後の働き方について希望すること(例: 妊婦健診のための休みを取りたい、通勤時間を調整したいなど)
- 今後の業務に関する相談
信頼できる上司や同僚に早めに相談することで、業務の調整や引継ぎなど、会社も準備を進めやすくなります。
産前産後休業について
働く女性が取得できる産前産後休業は、働く妊産婦にとって非常に重要な制度です。
- 産前休業: 出産予定日を含めた産前42日間(多胎妊娠の場合は98日間)
- 産後休業: 出産日翌日から産後56日間
産前休業は本人の請求によって取得できますが、産後休業は法律で定められた取得義務があります(医師が支障ないと認めた場合は産後6週間で就業可能)。これらの期間は、原則として会社は従業員を就業させることはできません。
産前産後休業期間中は、健康保険から出産手当金が支給されます。これは、休業中に会社から給与が支払われない場合に、生活を保障するための制度です。
夫婦での話し合いと会社の制度確認
妊娠をきっかけに、ご夫婦で今後の働き方や育児分担について話し合うことは非常に大切です。そして、会社の就業規則を確認し、育児休業制度や時短勤務制度など、利用できる制度を把握しておきましょう。不明な点があれば、会社の担当部署(人事部など)に相談してみることをお勧めします。
初めての妊娠中は、体調の変化も大きく、仕事との両立に不安を感じやすい時期かもしれません。しかし、働く妊産婦さんを守る制度は整っていますし、会社に相談することで理解や協力を得られる場合も多いです。一人で抱え込まず、まずは身近な人や会社の制度について調べてみましょう。
この記事が、働くパパ・ママが安心して妊娠期間を過ごし、新しい家族を迎える準備を進める一助となれば幸いです。